◎ふじたあさや氏 新春特別インタビュー

 新年にあたり劇団わが町の3月に公演する新作『恐れを知らぬ27人の劇作家?と49人の俳優たち』について、同劇団の芸術監督・演出ふじたあさや氏に、今回の脚本が生まれた経緯や舞台の見どころなどについて話を聞いた。

新作について語るふじたあさや氏

新作について語るふじたあさや氏

―今回のタイトル『恐れを知らぬ27人の劇作家…』ということですが?
 みなさんに書け書けと言ったら本当に書いてきちゃったんで…(笑)
 その書いてきたやつをできるだけ活かしたい。なにしろ作家が27人もいるんですよ。それぞれの作家の作品をできるだけ、そのまま活かせる方向で、あまりカットすると骨だけになるので、それなりにおもしろさを活かしたいですね。
 若い子供から70過ぎまでのみなさんが書いてくれたものですが、それぞれが面白いだろうと思っている“思い方”が違うんですよね、そこがおもしろくてね。結構シュールなのもあるし、近未来を描いているのもあるし、大リアリズムもあるし、そういうスタイルが違うのを全部飲み込んで一つの作品だという、そういう面白さを狙ったんです。

―敢えて劇団員に書いてもらったという背景は?
 書きたいことがその気になれば出てくる人たちだ、ということから、最初に水を向けたわけです。今どんな作品をやってもそれなりに成果はあると思うが、「本当に今言いたいことは何?」って聞いていくと、結構出てくるものだと思いました。まあ、みなさんに対する信頼ですよね。

―これまでの芝居というのは戯曲の内容を演出家が役者を使って伝えるというスタイルが続いてきましたが?
 どこかに偉い書き手がいて、その人が書いたものをありがたがってやるという構図じゃなく、みなさんが日常的に思っていることが芝居になるんだ…この発見をしてもらいたかったのです。それができるのは(劇団)わが町だからだと思っています。

―未経験の作家による「本(脚本)」ということで、読んだり直したりするうえでのご苦労は?
 それは苦労がないわけじゃないですけれどね。しかし、「へー、あの人はこういうのが芝居になると思っているんだ。じゃあ何とか実現してあげよう」。ひとりひとりの狙いを汲み取ってビジュアルなものにしていくというのは、こちらも想像力をはたらかせて、頑張ってイIMG_0007trmdメージを持たなければなりませんので…。そこには苦労があるわけです。

―そうした個々の作品をひとつにまとめていって、観客に見てもらいたいところは?
 作家がいて、演出家がいて、俳優は言われるままに動いているということとは違う、活き活きした演劇の在り様というのを、この集団だったらできる、みんなで実現することができるだろうということですよね。
 だから実際に蓋が開いてみたら、時間が長すぎて大変だとかいうこともあるかもしれないけれど、観客にしてみると今までなかったものを観ることになると思いますよ。

―これまでのところの出来栄えは?
 本(脚本)はそれぞれの面白さを持っていますから、あとは稽古時間ですね。劇団員は職場へ行ったり、学校へ行ったりして結構忙しいし、インフルエンザが流行るなど心配な材料もあります。しかし、みなさん本番には強いですからね、このグループは! 間際になるとできちゃうのですよ、今回も多分そういうことになるんだと思います(笑)  (了)